8.隔離された地


この色彩に溢れた世界にも、隔離された一画がある。

  光に照らされた他の多くの場所とは明らかに様子が異なり、
ひたすら深い闇と静寂だけが支配する巨大な森である。
その森の存在はこの地に来た当初から遠目には気付いていた。
ただ明らかに異質な空気を放つその場所に
漠然とした恐れのようなものを感じ、
敢えて近づくことを避けてきた。

その私が今まさに、その森へと歩を進めている。
何を血迷ったのかと思われるかもしれないが、
自分でも意図した行動ではなく、何かに導かれるように引き寄せられ、
気が付いたときには森の前に立っていた。



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