6.色彩
状況というものは往々にして好転するものだ。
灰色の太陽が少しずつ明るさを取り戻してきている。
時が経つ程に周囲を把握できるようになり、
何も無かったと思われた私の周囲には景色が現れ始めた。
その一部始終を、私はただじっと見つめていた。
そしてこれまでとは明らかに違う様子に気付いていた。
そこには色彩が広がっていたのだ。
見上げれば太陽から溢れんばかりの光が降り注ぎ、
近くを流れる川の水面がキラキラと目に眩しくも美しい。
空は高く青々と澄み渡り、
雲はまるで魚眼レンズを通したかのように広がっている。
大地には緑の草原が爽やかな風に靡き、
その向こうでは連なる木々がざわざわと揺れてる。
私は初めての光景に戸惑いつつも、
目に見えるもの全てが新鮮で、愛しく思えた。
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